研究分野
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人文・社会 / 食料農業経済
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人文・社会 / 地域研究 / アフリカ地域研究
経歴
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鹿児島大学 農水産獣医学域水産学系 水産学部 水産学科 助教
2022年2月 - 現在
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藍野大学 医療保健学部 非常勤講師
2020年9月 - 2022年3月
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独立行政法人日本学術振興会 特別研究員RPD
2019年4月 - 2022年1月
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京都大学 アフリカ地域研究資料センター 特任研究員
2012年10月 - 2022年1月
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京都大学 アジア・アフリカ地域研究研究科 日本学術振興会特別研究員
2012年4月 - 2015年3月
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同志社大学 理工学部 非常勤講師
2009年9月 - 2018年3月
共同研究・競争的資金等の研究
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熱帯脆弱環境での生業複合による持続的保全型生業システムの強靭化とその実践展開
研究課題/領域番号:20H00049 2020年4月 - 2025年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
田中 樹, 荒木 良一, 藤本 麻里子, 寺田 匡宏, 宮嵜 英寿, 山田 協太, 飯塚 明子, 三村 豊
配分額:44590000円 ( 直接経費:34300000円 、 間接経費:10290000円 )
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ザンジバルの漁村における干物生産者の組織化に関する研究:農業協同組合との比較から
研究課題/領域番号:19J40164 2019年4月 - 2022年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
藤本 麻里子
配分額:5200000円 ( 直接経費:4000000円 、 間接経費:1200000円 )
本研究は、タンザニア連合共和国の島嶼地域ザンジバルにおけるダガー(カタクチイワシ)漁とその干物への加工産業において、干物を購入する商人に比べて弱い立場にある生産者の利益を守るためにどのような政策が求められているかを明らかにすることである。農山漁村の商品生産者にとって重要な役割を果たすとされる生産者組織だが、ザンジバルの漁村においては、ダガー漁、加工産業に従事する人々で組織される生産者組織は存在しない。そのため、地域の生産者は乾燥ダガーの売買において価格交渉力が弱く、買い付け商人に買い叩かれる現状がある。現地で必要性が高まる生産者組織に求められる役割を明らかにすることが本研究の目的である。
当該年度は3度の現地調査を実施し、調査地におけるダガー漁および加工産業の現状について情報収集を行った。現地調査の結果、2019年1月にタンザニア本土政府による実質的ダガー漁禁漁措置が取られたこと、それによりタンザニア本土からザンジバルにダガー産業従事者が多数移動してきたこと、ザンジバル側でダガーの水揚げが急増したことが確認できた。ザンジバルの漁村では急激なダガー水揚量の増加と、ダガー産業従事者の人数増加により、①漁村における日用品や食料品などの需要増加による副次的な経済活動の活発化、②水揚量急増による人手不足、③加工前にダガーが傷むことによる干物の品質低下、などの問題が起こっていた。
ザンジバルとタンザニア本土では、司法・立法・行政組織が異なり、本土で使用禁止されたダガー漁用の漁網がザンジバルでは継続して使用可能なこと、乾燥ダガーの売買時における課税システムが異なっており本土の方が税金が高いこと、などからザンジバル側でダガー産業が活発化していることがわかった。ダガー産業が地域経済に与える影響は大きく、従事者の増加により生産者組織に求められる役割も大きくなる可能性がある。 -
BMUはタンザニア漁家の生計向上に寄与するか
研究課題/領域番号:17K15330 2017年4月 - 2021年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
藤本 麻里子
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
平成31年度(令和元年度)は、現地調査を1回行った。タンザニア連合共和国のザンジバルにおいて、ダガー漁とその加工産業の調査を行った。2019年1月にタンザニア本土政府がダガー漁に広く使われている漁網を使用禁止とし、タンザニア本土のインド洋沿岸域で畜産漁業省および警察、軍などが一斉に漁網の摘発、没収を行った。没収された漁網は焼却処分され、多くの漁師がダガー漁を行うことができなくなった。タンザニア本土とは異なる法律・規制が適用され、行政組織も異なるザンジバルでは、ダガー漁は通常通り行われ、漁網の摘発や没収は行われていない。そこで、タンザニア本土のインド洋沿岸の街タンガから、多くの漁業者、ダガー加工業者、加工産業従事者がザンジバルにビジネス拠点を移しに来た。
現地調査において、本土から来たダガー産業従事者から聞き取り調査を行い、タンザニア本土における取り締まりの実態や、本土とザンジバルにおける各種の規制、課税システムの違いなどを解明することができた。また、ザンジバルにおけるダガー産業従事者が急増したことで、調査地におけるダガー水揚量が大幅に増え、ザンジバルで元々ダガー産業を行っていた人々にも様々な形で影響が生じていることもわかった。現金稼得機会の増加という良い面だけでなく、水揚の急な増加により、加工作業に時間がかかり、加工後のダガーの品質が低下するなどの負の影響も確認できた。
フィールドワークで得た最新のタンザニア本土およびザンジバルにおけるダガー漁とダガー加工産業の実態について、国際漁業学会で口頭発表を行った。学会発表を通じて、多くの研究者と情報交換をすることができた。今後は、タンザニア本土における規制が恒久的に続くのか、続くとすればザンジバル側で講じられるべき対策は何か、引き続き調査を行っていく必要がある。
担当経験のある授業科目
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フィールドワーク入門
2020年9月-現在機関名:藍野大学科目区分:学部教養科目